白内障
昨年11月から今年3月までに、当院で両眼の白内障手術を受けられた方にご協力いただき行ったアンケートの結果とあわせて、白内障についてお話させていただきます。
気になる眼の病気と症状:15
白内障
白内障は緑内障と並んでよく耳にする眼科の病気ですが、実際にどんなものなのかご存知でしょうか?また、白内障と診断され多くの不安を抱えていらっしゃる方もあるでしょう。
昨年11月から今年3月までに、当院で両眼の白内障手術を受けられた方にご協力いただき行ったアンケートの結果とあわせて、白内障についてお話させていただきます。
白内障とはどういうものですか?
目の中に水晶体という透明なレンズの形をしたものがあります。この水晶体が濁った状態が白内障です。白内障で一番多いのは歳をとる事によって起こるものです。ある報告では80歳以上の方ではほぼ100%白内障といわれています。その他に糖尿病によるもの、先天性のもの、外傷によるものなどがあります。
白内障にならない方法はありますか?
白内障のほとんどが歳をとる事によって起こってくるものです。病気と言うよりも老化です。ですから歳をとって白内障になるのが普通です。もし白内障にならない方法があるとすれば、歳をとらないということになります。今のところ、白内障にならないようにする良い方法はありません。
白内障は必ず手術をしなければなりませんか?
白内障は単なる老化で病気ではありませんので、どうしても治さなければならないというものではありません。ですから、白内障になっても生活上困ったことが無ければ急いで手術をする必要はありません。「もっと見えるようになりたいけれど手術は嫌」と言うことで手術以外の治療方法を希望される方がいらっしゃいますが、残念ながら手術以外の方法では見えるようにはなりません。眼鏡を変えても目の中の濁りは良くなりませんし、濁りが無くなる薬も開発されていません。
早く手術をした方が良いですか?
白内障は病気と言うよりも老化ですので、治療をしないで放っておいて手遅れになる事はほとんどありません。稀に長い間白内障を放っておいて問題を起こす事がありますが、ほとんどの場合、手遅れにはなりません。それでは、いつ手術をするのが良いのかということになりますが、それはご自身が「見えにくくなった」と感じて、「もっと見えるようにしたい」と思ったときです。アンケートでも手術を受けた動機として見えにくくなったと答えた方が70%近くいらっしゃいました。急いで手術を受ける必要はありませんが、見えにくいのを我慢するよりは手術をしてしまった方が良いでしょう。
高齢ですが大丈夫でしょうか?
年齢の事を気にされて、手術を躊躇される方が時々いらっしゃいますが、高齢というだけで手術が出来ないという事はありません。白内障は歳をとる事によって起こるものですから、手術を受けられた方は高齢者が多いです。今回のアンケートでは手術を受けられた方の80%が70歳以上でした。高齢でも手術に支障があるような病気でなければ手術は出来ます。手術の前に全身状態を確認するための検査を行っていますし、現在、内科や外科などに通院中の方は担当の先生に手術可能な状態かどうかを確認しています。
手術は痛いですか?
手術の時には最初に点眼麻酔をします。針を使わない麻酔ですのでこの麻酔で痛みを感じることはありません。多少しみるかもしれませんが30秒以内に麻酔は効いてきて、しみる感じも無くなります。その後、手術が始まる時に眼球の外側に麻酔の薬を追加します。この時にはすでに点眼麻酔が効いていますので痛くありません。手術中は麻酔が効いていますが、痛みの感じ方はかなり個人差があり、同じ刺激でもほとんど痛みを感じない人から強い痛みを感じる人も中にはいます。今回のアンケートの結果では痛みが無かったと答えた方が70%以上いらっしゃいました。
眼症状はどんなものですか。白内障の後も眼鏡が必要ですか?
白内障の手術はもともと透明だったけれど濁ってしまった水晶体を取り出すものです。取り出すだけですと多くの場合、手術後は近くも遠くもぼんやりしか見えず、分厚い眼鏡が必要になります。そこで、眼内レンズという人工の水晶体を手術のときに目の中に入れて、手術後に分厚い眼鏡が必要ないようにしています。手術の前の検査でどのくらいの度数の眼内レンズを使えば良いかを計算しますが、多少の誤差が出るため手術後に眼鏡が必要になることが多いです。また、手術の後に遠くがよく見えるようになった方は近くがぼんやりしますし、逆に近くがはっきり見えるようになった方は遠くがぼんやりします。ですから、手術後少なくとも近くを見るための老眼鏡か遠くを見るための眼鏡が必要になります。
手術の後、見えるようになりますか?
目の中の濁りを取る手術ですから、濁りがあれば濁りが無くなった分だけ見えるようになります。手術の前に濁りが強ければ強いほど手術後によく見えるようになったと感じると思います。手術を受けた方の95%が手術前よりも矯正視力(眼鏡をかけた時の視力)が上がっています。アンケートの結果でも手術後よく見えると答えた方が90%でした。しかし、手術の前に白内障以外に目にくい原因がある場合は手術をしても視力があがらない場合もあります。
手術を受けられた方の感想
アンケートの結果では90%以上の方が手術を受けたよかったと答えています。これから手術を受けけられる方へのご意見として
「痛みは無いので早く手術を受けた方が良いです」(80歳女性)
「見えにくいと思ったら早く手術を受けた方が良いです」(71歳男性)
など、早く手術を受ける事を進める方や痛みが無い事をおっしゃる方が多数いらっしゃいました。
他に
「痛くないから怖がらずに手術を受けてください」(80歳女性)
「色はきれいに、料理もすごくおいしく感じます」(78歳女性)
「思い切って手術を受けて良かった、別世界ですよ」(83歳男性)
「手術を受けると明るくなるので暗く思っている方は早く受けた方が良いです」(74歳女性)
と言う声もありました。
おわりに
今回のアンケートから白内障手術を受けられた方の多くが手術の結果に満足されていることが分かりました。実際、手術の前は手術が怖いと思ったり、不安があったりしても、手術が終わるとやはり手術を受けてよかったと言っていただける事があります。今回の結果がこれから手術を受けられる方の参考になれば良いと思っています。
白内障とはどういうものですか?
目の中に水晶体という透明なレンズの形をしたものがあります。この水晶体が濁った状態が白内障です。白内障で一番多いのは歳をとる事によって起こるものです。ある報告では80歳以上の方ではほぼ100%白内障といわれています。その他に糖尿病によるもの、先天性のもの、外傷によるものなどがあります。
白内障にならない方法はありますか?
白内障のほとんどが歳をとる事によって起こってくるものです。病気と言うよりも老化です。ですから歳をとって白内障になるのが普通です。もし白内障にならない方法があるとすれば、歳をとらないということになります。今のところ、白内障にならないようにする良い方法はありません。
白内障は必ず手術をしなければなりませんか?
白内障は単なる老化で病気ではありませんので、どうしても治さなければならないというものではありません。ですから、白内障になっても生活上困ったことが無ければ急いで手術をする必要はありません。「もっと見えるようになりたいけれど手術は嫌」と言うことで手術以外の治療方法を希望される方がいらっしゃいますが、残念ながら手術以外の方法では見えるようにはなりません。眼鏡を変えても目の中の濁りは良くなりませんし、濁りが無くなる薬も開発されていません。
早く手術をした方が良いですか?
白内障は病気と言うよりも老化ですので、治療をしないで放っておいて手遅れになる事はほとんどありません。稀に長い間白内障を放っておいて問題を起こす事がありますが、ほとんどの場合、手遅れにはなりません。それでは、いつ手術をするのが良いのかということになりますが、それはご自身が「見えにくくなった」と感じて、「もっと見えるようにしたい」と思ったときです。アンケートでも手術を受けた動機として見えにくくなったと答えた方が70%近くいらっしゃいました。急いで手術を受ける必要はありませんが、見えにくいのを我慢するよりは手術をしてしまった方が良いでしょう。
高齢ですが大丈夫でしょうか?
年齢の事を気にされて、手術を躊躇される方が時々いらっしゃいますが、高齢というだけで手術が出来ないという事はありません。白内障は歳をとる事によって起こるものですから、手術を受けられた方は高齢者が多いです。今回のアンケートでは手術を受けられた方の80%が70歳以上でした。高齢でも手術に支障があるような病気でなければ手術は出来ます。手術の前に全身状態を確認するための検査を行っていますし、現在、内科や外科などに通院中の方は担当の先生に手術可能な状態かどうかを確認しています。
手術は痛いですか?
手術の時には最初に点眼麻酔をします。針を使わない麻酔ですのでこの麻酔で痛みを感じることはありません。多少しみるかもしれませんが30秒以内に麻酔は効いてきて、しみる感じも無くなります。その後、手術が始まる時に眼球の外側に麻酔の薬を追加します。この時にはすでに点眼麻酔が効いていますので痛くありません。手術中は麻酔が効いていますが、痛みの感じ方はかなり個人差があり、同じ刺激でもほとんど痛みを感じない人から強い痛みを感じる人も中にはいます。今回のアンケートの結果では痛みが無かったと答えた方が70%以上いらっしゃいました。
眼症状はどんなものですか。白内障の後も眼鏡が必要ですか?
白内障の手術はもともと透明だったけれど濁ってしまった水晶体を取り出すものです。取り出すだけですと多くの場合、手術後は近くも遠くもぼんやりしか見えず、分厚い眼鏡が必要になります。そこで、眼内レンズという人工の水晶体を手術のときに目の中に入れて、手術後に分厚い眼鏡が必要ないようにしています。手術の前の検査でどのくらいの度数の眼内レンズを使えば良いかを計算しますが、多少の誤差が出るため手術後に眼鏡が必要になることが多いです。また、手術の後に遠くがよく見えるようになった方は近くがぼんやりしますし、逆に近くがはっきり見えるようになった方は遠くがぼんやりします。ですから、手術後少なくとも近くを見るための老眼鏡か遠くを見るための眼鏡が必要になります。
手術の後、見えるようになりますか?
目の中の濁りを取る手術ですから、濁りがあれば濁りが無くなった分だけ見えるようになります。手術の前に濁りが強ければ強いほど手術後によく見えるようになったと感じると思います。手術を受けた方の95%が手術前よりも矯正視力(眼鏡をかけた時の視力)が上がっています。アンケートの結果でも手術後よく見えると答えた方が90%でした。しかし、手術の前に白内障以外に目にくい原因がある場合は手術をしても視力があがらない場合もあります。
手術を受けられた方の感想
アンケートの結果では90%以上の方が手術を受けたよかったと答えています。これから手術を受けけられる方へのご意見として
「痛みは無いので早く手術を受けた方が良いです」(80歳女性)
「見えにくいと思ったら早く手術を受けた方が良いです」(71歳男性)
など、早く手術を受ける事を進める方や痛みが無い事をおっしゃる方が多数いらっしゃいました。
他に
「痛くないから怖がらずに手術を受けてください」(80歳女性)
「色はきれいに、料理もすごくおいしく感じます」(78歳女性)
「思い切って手術を受けて良かった、別世界ですよ」(83歳男性)
「手術を受けると明るくなるので暗く思っている方は早く受けた方が良いです」(74歳女性)
と言う声もありました。
おわりに
今回のアンケートから白内障手術を受けられた方の多くが手術の結果に満足されていることが分かりました。実際、手術の前は手術が怖いと思ったり、不安があったりしても、手術が終わるとやはり手術を受けてよかったと言っていただける事があります。今回の結果がこれから手術を受けられる方の参考になれば良いと思っています。