涙とドライアイ
HOW TO SERIES:18
涙とドライアイ
涙は何で作られているの?
涙は、まゆ毛の目尻寄りの下にある涙腺で、血液を原料に合成されます。単なる水のように思えますが、実際には外側から油層、涙液層、ムチン層の3層構造になっています。
油層は、まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌され外側で涙の蒸発を防ぎます。涙液層は涙の主成分で、主涙腺と副涙腺から分泌されます。ドライアイの人の涙は主にこの涙液層が減少しているのです。角膜と接しているムチン層は、涙液と角膜とを接着する役割があります。
まばたきをすると、涙は涙腺から排出管を通って目の表面に流れます。そして目の表面を潤した後は上下のまぶたの目頭側にある涙点から涙のうを経て、鼻の奥にある鼻涙管を通り鼻に流れます。ふつうは1分間に1マイクロリットル(1mlの千分の1)くらい流れていると考えられています。
悲しくて泣いたときの涙には、ストレスに反応して作られるホルモンが分泌されています。つまり、泣くのはストレス発散の1つの方法で、泣くと気分がすっきりするのはそのためだと言われています。
一方、おなかが痛くなるほど笑った時にも涙が出ますが、これは笑っていると顔の筋肉が涙腺を圧迫し、そのために涙が押し出されてくるのです。
「ドライアイ」って何?
文字通り涙が少ないため、目が乾いてしまう状態のことをドライアイといいます。現在、日本では約800万人、疑いの方も含めると2000万人の方が、ドライアイになっていると言われています。
ドライアイには、涙を作る量が少ないため、目が乾いてしまうもの(涙の量の異常)と涙が目の上に溜まっている時間が短いもの(涙の質の異常)があります。涙の質の異常の場合では、涙の量は少なくない場合や、むしろ普通の人よりも多い場合もあります。
涙がたくさん出ているのに、ドライアイという人もあります。一番多い症状は、目が乾いた感じがする乾燥感です。この状態がさらに悪くなるとゴロゴロした感じ(異物感)、痛み、霞みや視力低下となることもあります。 検査には、瞼にろ紙や木綿の糸を引っ掛けて涙がどれくらい出ているか測るシルマー試験があります。DR―1という機械では、涙に含まれる油の層の厚さを測ることができます。
対策として、部屋の乾燥を防ぐためにエアコンなどの風が直接目に当たらないように調節したり、特に冬場は加湿器を使うことをお勧めします。点眼も涙の不足を補う点眼薬を決められた回数をきちんと使うことです。パソコンを見る事が多い場合は、意識的に瞬きをし、眼鏡をかけたり、眼鏡に涙の蒸発防止用のカバーをかけたりすると有効です。
ドライアイは今のところ根本的に治す方法の無い、やっかいな状態ですが、自分の状態を良く知り、ドライアイとうまく付き合っていきましょう。
涙は何で作られているの?
涙は、まゆ毛の目尻寄りの下にある涙腺で、血液を原料に合成されます。単なる水のように思えますが、実際には外側から油層、涙液層、ムチン層の3層構造になっています。
油層は、まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌され外側で涙の蒸発を防ぎます。涙液層は涙の主成分で、主涙腺と副涙腺から分泌されます。ドライアイの人の涙は主にこの涙液層が減少しているのです。角膜と接しているムチン層は、涙液と角膜とを接着する役割があります。
まばたきをすると、涙は涙腺から排出管を通って目の表面に流れます。そして目の表面を潤した後は上下のまぶたの目頭側にある涙点から涙のうを経て、鼻の奥にある鼻涙管を通り鼻に流れます。ふつうは1分間に1マイクロリットル(1mlの千分の1)くらい流れていると考えられています。
悲しくて泣いたときの涙には、ストレスに反応して作られるホルモンが分泌されています。つまり、泣くのはストレス発散の1つの方法で、泣くと気分がすっきりするのはそのためだと言われています。
一方、おなかが痛くなるほど笑った時にも涙が出ますが、これは笑っていると顔の筋肉が涙腺を圧迫し、そのために涙が押し出されてくるのです。
「ドライアイ」って何?
文字通り涙が少ないため、目が乾いてしまう状態のことをドライアイといいます。現在、日本では約800万人、疑いの方も含めると2000万人の方が、ドライアイになっていると言われています。
ドライアイには、涙を作る量が少ないため、目が乾いてしまうもの(涙の量の異常)と涙が目の上に溜まっている時間が短いもの(涙の質の異常)があります。涙の質の異常の場合では、涙の量は少なくない場合や、むしろ普通の人よりも多い場合もあります。
涙がたくさん出ているのに、ドライアイという人もあります。一番多い症状は、目が乾いた感じがする乾燥感です。この状態がさらに悪くなるとゴロゴロした感じ(異物感)、痛み、霞みや視力低下となることもあります。 検査には、瞼にろ紙や木綿の糸を引っ掛けて涙がどれくらい出ているか測るシルマー試験があります。DR―1という機械では、涙に含まれる油の層の厚さを測ることができます。
対策として、部屋の乾燥を防ぐためにエアコンなどの風が直接目に当たらないように調節したり、特に冬場は加湿器を使うことをお勧めします。点眼も涙の不足を補う点眼薬を決められた回数をきちんと使うことです。パソコンを見る事が多い場合は、意識的に瞬きをし、眼鏡をかけたり、眼鏡に涙の蒸発防止用のカバーをかけたりすると有効です。
ドライアイは今のところ根本的に治す方法の無い、やっかいな状態ですが、自分の状態を良く知り、ドライアイとうまく付き合っていきましょう。