涙があふれて困ってしまう 涙目(流涙症)
今回は涙目(流涙症)をご紹介します
HOW TO SERIES:14
涙があふれて困ってしまう 涙目(流涙症)
潤んだ瞳は魅力的ですが、悲しくないのに涙がこぼれる、外で風に当たると急に涙が大量に出る、目やにが多いなどの症状は困りますね。
今回は涙目(流涙症)をご紹介します
涙が流れるルートが詰まったり、狭くなったりしているケースが多い
涙がしょっちゅう流れてくる、涙で視界がぼやける、メガネのレンズが涙ですぐ曇る、目やにがたまりやすい、といった症状に悩んでいませんか。このような症状は、一般的には「涙目」、医学的には「流涙症」といわれます。
大きな原因のひとつは、本来は鼻へ抜けていく涙の通路(涙道)のどこかが細くなったり詰まったりしていることです。 涙は上まぶたの外側にある涙腺から分泌され、眼の表面を潤し、栄養を与えた後は目頭の上下にある小さな穴(涙点)から顔の内側に入り、涙小管という細い管を通って涙嚢(るいのう)という袋にたまります。そして、鼻涙管を通じて鼻腔へ流れていきます。泣いたときに出る鼻水は実は涙で、大量に流れた涙が鼻から出てくるわけです。この涙の流れるルート(涙道)が細くなったり詰まったりすることがあり、流れなくなった涙が目に残り、涙目になります。
とくに多いのは鼻涙管の閉塞で、赤ちゃんに見られることがよくあります。赤ちゃんはもともと鼻涙管が細いため、涙や目やにが出やすいのですが、鼻涙管と鼻腔の間に膜が残っている場合、生まれる直前や直後に細菌感染が原因で鼻涙管が細くなってしまう場合はさらに症状がひどくなります。涙嚢に感染を起こして目が腫れる、目頭から膿が出るという症状が出ることもあります。できるだけ早い処置が必要です。 また、鼻涙管は年を取るにつれてだんだん細くなることもあります。そのため、お年寄りでは涙目のほか、涙嚢炎でまぶたが腫れたり痛んだり、また目の周りがかゆくなったりすることがあるのです。
鼻涙管閉塞症は、手術で治療する
鼻涙管閉塞症であることがわかれば、次のような方法で治療します。
(1)涙道プロービング
特殊な金属の棒(涙道ブジー)を涙点から通して涙道を開かせます。赤ちゃんの先天的な鼻涙管閉塞症で最初によく行われる処置です。
(2)シリコンチューブ挿入術
涙道にシリコンのチューブを挿入して広げる手術です。局所麻酔で20分程度で終わり、通常は入院も必要ありません。その後、6ヵ月くらい経って涙道が広がったところで、チューブをはずします。再閉塞を起こすことがあるのが短所です。
(3)涙嚢鼻腔吻合術
人工的に涙道のバイパスを作る手術です。顔面の皮膚を2cm程度切開して、涙嚢の横にあたる目と鼻の間の骨を直接1cm程度削って穴を開け、涙嚢と鼻腔の粘膜をつなぎます。局所麻酔で1時間程度の手術です。その後、鼻に詰め物をし、約1週間後にその詰め物と手術糸をはずします。
ほかにもさまざまな原因が。まずは眼科で検査を
流涙症は、ほかにも、
- 結膜炎や角膜炎、逆さまつげなどによって涙の分泌が増えている
- ドライアイによって風に当たるなどの刺激でも涙が流れやすくなっている場合(涙の量はふつう以上でも、涙の成分が変わってしまっているためにドライアイになることがあります)
- 年齢とともに白目(結膜)がゆるんでシワができ、そのシワが堤防のようになって涙が外にあふれ出る
- 白内障の初期の段階
- 涙の分泌を支配する三叉神経の異常
など、さまざまな原因があり、原因に応じた治療が必要になります。 流涙症に気づいたら、眼科で検査を。まずは細隙灯顕微鏡検査で目の表面の様子や涙の分泌を見た後、涙点から細い管を入れて食塩水を流し、鼻へ流れ込むかを調べます。痛みはほとんどないので安心して受診しましょう。
涙が流れるルートが詰まったり、狭くなったりしているケースが多い
涙がしょっちゅう流れてくる、涙で視界がぼやける、メガネのレンズが涙ですぐ曇る、目やにがたまりやすい、といった症状に悩んでいませんか。このような症状は、一般的には「涙目」、医学的には「流涙症」といわれます。
大きな原因のひとつは、本来は鼻へ抜けていく涙の通路(涙道)のどこかが細くなったり詰まったりしていることです。 涙は上まぶたの外側にある涙腺から分泌され、眼の表面を潤し、栄養を与えた後は目頭の上下にある小さな穴(涙点)から顔の内側に入り、涙小管という細い管を通って涙嚢(るいのう)という袋にたまります。そして、鼻涙管を通じて鼻腔へ流れていきます。泣いたときに出る鼻水は実は涙で、大量に流れた涙が鼻から出てくるわけです。この涙の流れるルート(涙道)が細くなったり詰まったりすることがあり、流れなくなった涙が目に残り、涙目になります。
とくに多いのは鼻涙管の閉塞で、赤ちゃんに見られることがよくあります。赤ちゃんはもともと鼻涙管が細いため、涙や目やにが出やすいのですが、鼻涙管と鼻腔の間に膜が残っている場合、生まれる直前や直後に細菌感染が原因で鼻涙管が細くなってしまう場合はさらに症状がひどくなります。涙嚢に感染を起こして目が腫れる、目頭から膿が出るという症状が出ることもあります。できるだけ早い処置が必要です。 また、鼻涙管は年を取るにつれてだんだん細くなることもあります。そのため、お年寄りでは涙目のほか、涙嚢炎でまぶたが腫れたり痛んだり、また目の周りがかゆくなったりすることがあるのです。
鼻涙管閉塞症は、手術で治療する
鼻涙管閉塞症であることがわかれば、次のような方法で治療します。
(1)涙道プロービング
特殊な金属の棒(涙道ブジー)を涙点から通して涙道を開かせます。赤ちゃんの先天的な鼻涙管閉塞症で最初によく行われる処置です。
(2)シリコンチューブ挿入術
涙道にシリコンのチューブを挿入して広げる手術です。局所麻酔で20分程度で終わり、通常は入院も必要ありません。その後、6ヵ月くらい経って涙道が広がったところで、チューブをはずします。再閉塞を起こすことがあるのが短所です。
(3)涙嚢鼻腔吻合術
人工的に涙道のバイパスを作る手術です。顔面の皮膚を2cm程度切開して、涙嚢の横にあたる目と鼻の間の骨を直接1cm程度削って穴を開け、涙嚢と鼻腔の粘膜をつなぎます。局所麻酔で1時間程度の手術です。その後、鼻に詰め物をし、約1週間後にその詰め物と手術糸をはずします。
ほかにもさまざまな原因が。まずは眼科で検査を
流涙症は、ほかにも、
- 結膜炎や角膜炎、逆さまつげなどによって涙の分泌が増えている
- ドライアイによって風に当たるなどの刺激でも涙が流れやすくなっている場合(涙の量はふつう以上でも、涙の成分が変わってしまっているためにドライアイになることがあります)
- 年齢とともに白目(結膜)がゆるんでシワができ、そのシワが堤防のようになって涙が外にあふれ出る
- 白内障の初期の段階
- 涙の分泌を支配する三叉神経の異常
など、さまざまな原因があり、原因に応じた治療が必要になります。 流涙症に気づいたら、眼科で検査を。まずは細隙灯顕微鏡検査で目の表面の様子や涙の分泌を見た後、涙点から細い管を入れて食塩水を流し、鼻へ流れ込むかを調べます。痛みはほとんどないので安心して受診しましょう。