加齢黄斑変性症の治療
気になる眼の病気と症状 37
加齢黄斑変性症の治療
かつては日本人には少ないと言われていた加齢黄斑変性症ですが,日本でも患者数が増えています。有効な治療法がないと言われていたこの病気ですが,この10年ほどの間に治療方法が大きく変わってきています。
加齢黄斑変性症とは?
物がゆがんで見える、見たいところが見えにくいなどの症状のある方が多いです。男性は女性の3倍多く,50歳以上の0.8%に見られると言われています。原因として加齢、喫煙,高血圧,遺伝,酸化ストレスなどが挙げられています。
治療方法
かつてはレーザー光凝固術,放射線療法,経瞳孔温熱療法や手術療法として新生血管抜去術,中心窩移動術などの治療方法がありましたが,いずれも効果が得られる場合が限られていたり,治療によって引き起こされる問題があったりしたため,現在ではほとんど行われていません。
2004年に光線力学療法(PDT)が厚生労働省によって認可されました。これは新生血管と呼ばれる異常な血管に集まりやすい薬(ベルテポルフィン)を腕の血管から注射して,その後,レーザー光を照射して異常な血管を壊す方法です。欧米の治療成績よりも日本での治療成績の方が良い結果が出ています.これは人種による効果の違いだと考えられています。
2008年には抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)療法が厚生労働省により認可され,ラニビスマブ,ペガプタニブナトリウムの2種類の薬剤が使えるようになりました。これは,眼球の内部(硝子体)に薬剤を注射して新生血管が作られないようにする治療です.特にラニビスマブは.これまでの加齢黄斑変性症の治療効果が病気の悪化を予防するものだったのに対し,初めて治療により視力の改善が見られた治療薬です。
抗VEGF療法の問題点
抗VEGF療法は,これまでにない高い効果が得られる治療方法ですが,問題点として治療の効果が長続きせず,多いときには毎月注射を行わなければならないことと,治療費が高額になることです。ラニビズマブによる治療では1回約17万6千円かかります.健康保険の適応があり,1割負担の方では約1万7千円,3割負担の場合は約5万3千円になります。
予防方法
加齢黄斑変性症が悪化する元となるものがいくつも検証されましたが,確実に関連性があるとわかっているものは加齢と喫煙です。歳を取らないようにすることは出来ませんので喫煙者は禁煙が必要です。
亜鉛,ルテイン,ビタミン類(A, C, E),βカロチンを多く摂るほうが良いと考えられ,サプリメントや緑黄色野菜を摂ることが勧められます。
今のところ,確実に予防する方法は見つかっておらず,禁煙,バランスの取れた食事と適度な運動が推奨されています。
加齢黄斑変性症とは?
物がゆがんで見える、見たいところが見えにくいなどの症状のある方が多いです。男性は女性の3倍多く,50歳以上の0.8%に見られると言われています。原因として加齢、喫煙,高血圧,遺伝,酸化ストレスなどが挙げられています。
治療方法
かつてはレーザー光凝固術,放射線療法,経瞳孔温熱療法や手術療法として新生血管抜去術,中心窩移動術などの治療方法がありましたが,いずれも効果が得られる場合が限られていたり,治療によって引き起こされる問題があったりしたため,現在ではほとんど行われていません。
2004年に光線力学療法(PDT)が厚生労働省によって認可されました。これは新生血管と呼ばれる異常な血管に集まりやすい薬(ベルテポルフィン)を腕の血管から注射して,その後,レーザー光を照射して異常な血管を壊す方法です。欧米の治療成績よりも日本での治療成績の方が良い結果が出ています.これは人種による効果の違いだと考えられています。
2008年には抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)療法が厚生労働省により認可され,ラニビスマブ,ペガプタニブナトリウムの2種類の薬剤が使えるようになりました。これは,眼球の内部(硝子体)に薬剤を注射して新生血管が作られないようにする治療です.特にラニビスマブは.これまでの加齢黄斑変性症の治療効果が病気の悪化を予防するものだったのに対し,初めて治療により視力の改善が見られた治療薬です。
抗VEGF療法の問題点
抗VEGF療法は,これまでにない高い効果が得られる治療方法ですが,問題点として治療の効果が長続きせず,多いときには毎月注射を行わなければならないことと,治療費が高額になることです。ラニビズマブによる治療では1回約17万6千円かかります.健康保険の適応があり,1割負担の方では約1万7千円,3割負担の場合は約5万3千円になります。
予防方法
加齢黄斑変性症が悪化する元となるものがいくつも検証されましたが,確実に関連性があるとわかっているものは加齢と喫煙です。歳を取らないようにすることは出来ませんので喫煙者は禁煙が必要です。
亜鉛,ルテイン,ビタミン類(A, C, E),βカロチンを多く摂るほうが良いと考えられ,サプリメントや緑黄色野菜を摂ることが勧められます。
今のところ,確実に予防する方法は見つかっておらず,禁煙,バランスの取れた食事と適度な運動が推奨されています。