全身疾患と眼
気になる眼の病気と症状:27
全身疾患と眼
全身的な疾患がある場合にその一症状や合併症として、眼に異常が現れることがあります。今回は日常診療で見かけることの比較的多い疾患など、いくつかの全身疾患とそれに関連する眼の異常について述べてみたいと思います。
1)糖尿病
糖尿病による眼の合併症でも重要なのは糖尿病網膜症です。糖尿病の影響で眼底(網膜)の血のめぐりが悪くなり、眼底に出血をはじめさまざまな異常が出現する病気です。単純型、前増殖型、増殖型に分けられます。早期に発見でき適切な治療を受ければ進行を食い止めることが可能ですが、程度によっては手術を必要とすることがあります。日本での中途失明原因の第1位なので、糖尿病をお持ちの方は定期的に眼底検査を受けられることを強くお勧めします。他の糖尿病による眼の合併症として、角膜障害、神経障害、(眼球運動障害→複視や眼瞼下垂)、白内障、虹彩炎、視神経症など、多種多様にわたります。
2)高血圧症・動脈硬化症
高血圧により、眼底出血が出現することがあり、程度によっては視力障害につながることもありますが、高血圧の治療により改善してくることも多いです。高血圧や動脈硬化があると網膜の血管に変化が現れることが多いのですが、眼底は全身の臓器の中でも血管を直接観察できる唯一の部分なので、眼底検査によって高血圧症や動脈硬化症が発見されることもあります。
3)アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎に網膜剥離が合併することがあります。原因にはいろいろな説がありますが、掻痒感に伴う慢性的な外傷(かゆいので常に掻くという刺激)が原因という説もあります。また、白内障を合併し視力障害をきたすこともあります。網膜剥離や白内障をきたすと、手術を要することがあります。
4)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
眼窩内(眼球周囲)の組織の炎症や容積の増大が起こり、眼窩内の圧を上昇させるため眼球突出が生じます。また、眼球運動障害による複視を生じることがあります。薬剤療法(ステロイド療法)や放射線療法を要することがあります。
5)血液疾患
貧血や白血病などの血液疾患で、眼底に出血をはじめとする様々な変化を生じることがあります。血液所見が改善すると眼底所見も改善する可能性があります。
6)慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチが重篤な場合に眼病変が見られることがあります。強膜炎や角膜辺緑潰瘍など、眼球の表面に病変が出現することがあります。
今回挙げた例はごく一部であり、眼に異常をきたす可能性のある全身疾患はその他にも数多く存在します。眼科の診察で異常が見つかり、それがきっかけとなって全身的な病気が発見されることもあります。目に異常を感じたり心配なことがある場合には、眼科を受診するようにしましょう。
1)糖尿病
糖尿病による眼の合併症でも重要なのは糖尿病網膜症です。糖尿病の影響で眼底(網膜)の血のめぐりが悪くなり、眼底に出血をはじめさまざまな異常が出現する病気です。単純型、前増殖型、増殖型に分けられます。早期に発見でき適切な治療を受ければ進行を食い止めることが可能ですが、程度によっては手術を必要とすることがあります。日本での中途失明原因の第1位なので、糖尿病をお持ちの方は定期的に眼底検査を受けられることを強くお勧めします。他の糖尿病による眼の合併症として、角膜障害、神経障害、(眼球運動障害→複視や眼瞼下垂)、白内障、虹彩炎、視神経症など、多種多様にわたります。
2)高血圧症・動脈硬化症
高血圧により、眼底出血が出現することがあり、程度によっては視力障害につながることもありますが、高血圧の治療により改善してくることも多いです。高血圧や動脈硬化があると網膜の血管に変化が現れることが多いのですが、眼底は全身の臓器の中でも血管を直接観察できる唯一の部分なので、眼底検査によって高血圧症や動脈硬化症が発見されることもあります。
3)アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎に網膜剥離が合併することがあります。原因にはいろいろな説がありますが、掻痒感に伴う慢性的な外傷(かゆいので常に掻くという刺激)が原因という説もあります。また、白内障を合併し視力障害をきたすこともあります。網膜剥離や白内障をきたすと、手術を要することがあります。
4)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
眼窩内(眼球周囲)の組織の炎症や容積の増大が起こり、眼窩内の圧を上昇させるため眼球突出が生じます。また、眼球運動障害による複視を生じることがあります。薬剤療法(ステロイド療法)や放射線療法を要することがあります。
5)血液疾患
貧血や白血病などの血液疾患で、眼底に出血をはじめとする様々な変化を生じることがあります。血液所見が改善すると眼底所見も改善する可能性があります。
6)慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチが重篤な場合に眼病変が見られることがあります。強膜炎や角膜辺緑潰瘍など、眼球の表面に病変が出現することがあります。
今回挙げた例はごく一部であり、眼に異常をきたす可能性のある全身疾患はその他にも数多く存在します。眼科の診察で異常が見つかり、それがきっかけとなって全身的な病気が発見されることもあります。目に異常を感じたり心配なことがある場合には、眼科を受診するようにしましょう。